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健康経営優良法人とは?採用に効く理由と2027年の申請要件
目次
健康経営優良法人とは|国が「働きやすさ」を認定する制度
健康経営優良法人認定制度は、従業員の健康管理を経営的な視点で実践している法人を、経済産業省と日本健康会議が認定する制度です。「うちは働きやすい会社です」という自社の主張を、第三者の認定という形で裏づけできるのが、この制度の本質的な価値です。
部門は2つに分かれています。従業員数による区分で、中小企業が申請するのは中小規模法人部門です。
| 部門 | 認定申請料 | 2027年認定の申請締切 |
|---|---|---|
| 中小規模法人部門 | 15,000円(税込16,500円)/件 | 2026年10月16日(金)17時 |
| 大規模法人部門 | 80,000円(税込88,000円)/件 | 2026年10月9日(金) |
2027年認定の申請受付は2026年8月17日(月)から始まります。中小規模法人部門の締切は10月16日17時です。年に一度しかチャンスがないため、今期を逃すと次は1年後になります。
💡 この記事でわかること:
- ●健康経営優良法人が「採用に効く」と言われる理由と、その限界
- ●認定で受けられるメリット(採用・補助金の加点・公的優遇)
- ●中小規模法人部門の認定要件5つの大項目と、必須になっている項目
- ●2027年認定の申請スケジュール・費用と、申請前に必要な前提条件
なぜ「採用に効く」と言われるのか
この制度に関心を持つ経営者の多くが、採用への効果を期待しています。実際、どう効くのかを整理します。
自社の主張が「国の認定」に置き換わる
求人票に「アットホームな職場です」「働きやすい環境です」と書いても、求職者はほとんど信用しません。自社が自社を評価しているだけだからです。健康経営優良法人は、経済産業省と日本健康会議による認定です。同じ「働きやすさ」の訴求でも、主張の出どころが自社から第三者に変わるという点が決定的に違います。
認定を受けた法人は、所定のルールのもとで認定ロゴマークを使用できます(使用規程は公式サイトでご確認ください)。求人票、採用サイト、会社案内に掲載できるため、求職者が最初に目にする場所で効きます。
採用全体の設計をどう組み立てるかは、中小企業の採用|何から始める?計画・募集・選考・受け入れの4段階で整理しています。認定はあくまで一要素で、求人票や選考設計と組み合わせて初めて効きます。
認定要件そのものが労働環境の整備になっている
もうひとつ見落とされがちなのがこちらです。認定要件には、長時間労働者への対応、心の健康保持・増進、受動喫煙対策といった項目が含まれます。要件を満たそうとすると、職場が実際に変わります。
つまり「ロゴをもらうために書類を整える」制度ではありません。取り組んだ結果として認定されるという順序です。定着率の改善を期待するなら、認定そのものよりも、この過程のほうが本体だと考えてください。
効果を過大に見積もらない
正直にお伝えすると、認定を取れば応募が増える、という単純な話ではありません。求職者の多くは、認定制度の名前を知らないまま求人を見ています。給与、勤務地、仕事内容といった条件が先に見られ、認定はその後の「この会社は大丈夫そうか」を判断する材料として働きます。
最後のひと押しの材料であって、集客の主役ではない。この位置づけを間違えないことが、投資判断としては重要です。
認定されると何が変わるか|採用以外のメリット
採用以外にも、実利のあるメリットがあります。
- ●補助金の加点 … 多くの補助金で加点項目に含まれています。たとえば新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募では、加点項目の一つとして「健康経営優良法人2026に認定されている事業者」が挙げられています
- ●公的機関・自治体の優遇 … 自治体や金融機関によっては、認定法人向けの優遇金利や表彰、入札の加点などを設けている場合があります
- ●保険者との関係 … 申請の前提として保険者の健康宣言事業に参加するため、健診データの活用や保健指導の連携が進みます
補助金の加点については、認定の「年次」まで指定される点に注意してください。公募要領が「健康経営優良法人2026」と指定していれば、それ以前の認定では加点されません。毎年申請して認定を維持することに意味があるのはこのためです。加点項目の全体像は補助金の加点項目とは?2026年に取れる項目を一覧で解説にまとめています。
なお自治体・金融機関の優遇は地域ごとに内容が異なります。自社の所在地でどの優遇が使えるかは、所管の自治体や取引金融機関に直接ご確認ください。
中小規模法人部門の認定要件|5つの大項目
認定要件は5つの大項目で構成されます。中小規模法人部門の要件は次のとおりです。
| 大項目 | 主な内容 | 扱い |
|---|---|---|
| 1. 経営理念・方針 | 健康宣言の社内外への発信、経営者自身の健診受診 | 必須 |
| 2. 組織体制 | 健康づくり担当者の設置、(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データ提供 | 必須 |
| 3. 制度・施策実行 | 健康課題の把握、具体的な推進計画、保健指導・食生活・運動・長時間労働対応・メンタルヘルス・感染症予防・喫煙対策など | 評価項目から一定数以上 |
| 4. 評価・改善 | 健康経営の取り組みに対する評価・改善 | 必須 |
| 5. 法令遵守・リスクマネジメント | 定期健診の実施、50人以上の事業場でのストレスチェック実施、労働基準法・労働安全衛生法違反による送検がないこと 等 | 必須(自主申告) |
3の「制度・施策実行」は評価項目が①〜⑰まであり、グループごとに「◯項目以上」という形で必要数が決まっています。このうち受動喫煙対策は必須です。小規模法人には一部緩和される特例があります。
長時間労働への対応は評価項目の一つですが、そもそも労働時間を正確に把握できていないと着手できません。勤怠管理が紙やエクセルのままなら、そこが先です。進め方は勤怠・給与計算のデジタル化|労務のムダをなくすにはで解説しています。
必要な項目数は年度ごとに見直されます。申請する年の認定要件を必ず公式資料でご確認ください。
参考(経済産業省・認定事務局):健康経営優良法人認定制度 / ACTION!健康経営(申請について)
2027年認定の申請スケジュールと費用
費用は認定申請料15,000円(税込16,500円)/件です。大規模法人部門の80,000円(税込88,000円)と比べると、中小企業にとって取り組みやすい水準に設定されています。
スケジュール上の注意点は2つあります。ひとつは年に一度しか申請できないこと。締切を過ぎると次は1年後です。もうひとつは、申請書の作成そのものより、要件を満たす取り組みの実施と記録に時間がかかることです。健診の受診率、ストレスチェックの実施、担当者の設置。これらは申請月に慌てて用意できるものではありません。
ブライト500・ネクストブライト1000とは
中小規模法人部門には、上位の認定区分があります。ブライト500とネクストブライト1000です。
通常の認定より、評価項目をより多く満たす必要があります。たとえば「制度・施策実行」の一部グループでは、通常が2項目以上のところ、上位認定では4項目以上が求められます。
まず通常の認定を取り、翌年以降に上位を目指すという進め方が現実的です。初年度から上位を狙って要件を積み残すより、確実に認定を取って毎年更新するほうが、補助金の加点という観点でも合理的です。
申請前に確認すること
最初の項目が最大の落とし穴です。中小規模法人部門の申請には、加入している保険者(協会けんぽの各都道府県支部、健康保険組合連合会の各都道府県連合会、国保組合等)が実施している健康宣言事業への参加が必須とされています。
「申請しよう」と決めてから保険者の健康宣言に参加していないことに気づき、間に合わないというケースが起こり得ます。まず自社が加入している保険者に、健康宣言事業への参加状況を確認してください。これが出発点です。
まとめ
- ●健康経営優良法人は、経済産業省と日本健康会議による認定制度。中小企業は中小規模法人部門で申請する
- ●2027年認定の申請受付は2026年8月17日〜10月16日17時(中小規模法人部門)。年1回のみ
- ●認定申請料は15,000円(税込16,500円)/件
- ●申請には保険者の健康宣言事業への参加が必須。ここが最初の関門
- ●採用への効果は「自社の主張を第三者の認定に置き換えられる」こと。ただし集客の主役ではなく、最後のひと押しの材料
- ●補助金の加点対象になるが、認定の年次まで指定されるため、毎年更新する意味がある
- ●認定要件は5つの大項目。受動喫煙対策など必須項目がある
最後に
健康経営優良法人は、取ること自体が目的の制度ではありません。要件を満たす過程で、健診の受診率が上がり、長時間労働が可視化され、担当者が決まる。その結果として職場が変わり、採用でも語れる材料が増える、という順序です。
逆に言えば、書類だけ整えて認定を取っても、実態が伴わなければ入社した人がすぐに辞めていきます。それでは意味がありません。
私たちTalent Partner(社長の経営参謀®)は、労務体制の整備から認定の取得、それを採用にどう反映するかまでを一続きで支援しています。「自社は要件を満たせるのか」「今期の申請に間に合うか」といった見極めからご相談いただけます。
認定要件・申請期間・費用は年度ごとに変わります。申請前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
この記事を書いた人
前職の上場コンサルティングファームにて10年間、年間200社超(累計1,000社超)の中小企業に対するバックオフィス支援・経営改善に従事。
現在は「Talent Partner」の取締役COOとして、認定ターンアラウンドマネージャー(TAM)の知見を活かし、財務・労務・組織の多角的な視点から中小企業のV字回復と成長をハンズオンで牽引する「社長の右腕」として活動している。
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