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パートナーシップ構築宣言のひな形|補助金加点になる書き方と手順

経営戦略

「宣言するだけ」で補助金が有利になる制度がある

補助金の申請で、あと一歩、審査を有利にしたい——そんなとき、比較的手軽に取り組めるのがパートナーシップ構築宣言です。自社が「発注者」の立場で、取引先との共存共栄や取引の適正化に取り組むことを宣言し、ポータルサイトに登録する。それだけで、国の補助金の加点項目になります。

「うちは下請けをたくさん抱えているわけではない」という会社も、外注先や仕入先など何かを発注する立場があれば対象になります。多くの中小企業が、実は宣言できる立場にあります。

この記事では、パートナーシップ構築宣言とは何か、宣言のメリット、宣言に含める内容、そして登録の進め方を、公式情報をもとに整理します。押さえるべきは次の4点です。

💡 この記事でわかること:

  • パートナーシップ構築宣言は、自社が「発注者」として取引先との共存共栄・取引適正化を宣言する取組
  • ひな形は2026年1月版が現行。6つの取組項目から選んで具体的に書くところが必須記載
  • 加点の条件は「令和8年1月1日に更新されたひな形で公表している事業者」。公開まで約10日かかる
  • 宣言した中小企業の53.1%は、直近1年間にメリットを1つも受けていない(中小企業庁調査)

そもそもパートナーシップ構築宣言とは

パートナーシップ構築宣言とは、企業が「発注者(発注する側)」の立場で、サプライチェーン全体の共存共栄と、取引先との適正な取引に取り組むことを、代表者の名前で宣言する取組です。国(内閣府・中小企業庁等)が推進しており、専用のポータルサイトに登録することで宣言が公表されます。

背景にあるのは、「取引条件のしわ寄せ」をなくそうという考え方です。原材料費や労務費が上がるなかで、その負担が立場の弱い取引先に一方的に押し付けられないよう、発注する側が率先して適正な取引を約束する——それがこの宣言の趣旨です。

💡 中小企業でも宣言できる

「発注者」というと大企業のイメージがありますが、外注先・仕入先・協力会社などに発注する立場があれば、中小企業でも宣言できます。むしろ、自社が発注者としても受注者としても両方の立場を持つ中小企業にこそ、取引を見直すきっかけになります。実際、中小企業庁が2024年7月29日時点の宣言企業51,955社に調査票を送ったとき、資本金3億円超の大企業は2,439社で、残りはすべて中小企業でした。

宣言で得られるメリット

パートナーシップ構築宣言は、宣言すること自体で直接お金がもらえる制度ではありません。ですが、次のようなメリットがあります。

メリット 内容
補助金の加点 国・自治体の補助金の加点。宣言した中小企業の34.1%が直近1年間に受けている
取引先・社会からの信頼 「取引先と共存共栄を図る会社」として、対外的な信頼・ブランドにつながる
自社の取引方針の明確化 下請・外注との付き合い方を社内で言語化でき、取引の適正化が進む

中小企業にとって実利が分かりやすいのは、やはり補助金の加点です。ただし、加点の対象になるかどうか、いつ時点で公表されていればよいかは、補助金ごと・公募回ごとに違います。次の章で、いま公募中の補助金の公募要領に何と書かれているかを見ていきます。

補助金の加点は、どの補助金で、いつ効くのか

「加点になる」と書かれた解説は多いのですが、実務で効くかどうかは、その公募回の要領にどういう条件で書かれているかで決まります。制度の名前が変わったり、後継の補助金で加点項目が入れ替わったりすることがあるためです。

いま公募中の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(第1回・応募締切2026年10月30日18時厳守)の公募要領は、14ある加点項目の①に、こう書いています。「パートナーシップ構築宣言ポータルサイトにおいて、令和8年1月1日に更新されたひな形を利用して宣言を公表している事業者」。

つまり、旧いひな形のままの宣言では加点になりません。すでに宣言している会社ほど見落としやすいところです。同じ要領は「加点項目は申請締切日時点で満たしている必要があります」とも定めています。

もう1つ、いつ時点で公表されていればよいかが補助金ごとに違います。公開までに約10日かかるので、この違いがそのまま登録の締切になります。

補助金 宣言についての条件と時点
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 令和8年1月1日更新のひな形で公表/申請締切日時点
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 ポータルサイトで公表/応募締切日前日時点
中小物流事業者の労働生産性向上事業 加点ではなく、補助上限台数の増加
モーダルシフト等推進事業 グリーン化の取組について宣言していること
Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業 代表企業がグリーン化の取組について宣言していること

公開までの日数を織り込んで、応募締切から逆に並べると、動き出す時期が決まります。

応募締切から逆算した登録スケジュール
1
締切の3週間前
ひな形をダウンロードして宣言文を作り、社内で決裁します
2
締切の2週間前まで
ポータルサイトに登録します。公開まで約10日、混雑期はさらに数日かかります
3
公開の確認
登録企業リストに自社名が載ったことを目で確かめます
4
応募締切日
この時点で公表されている状態が要件です

なお、ポータルサイトの加点対象リストには、公募が終わった補助金が旧い名前のまま残っていることがあります。狙う補助金は、必ずその回の公募要領で名前と条件を確かめてください。

ちなみに、この公募要領の加点項目には、経営革新計画・事業継続力強化計画・DX認定・健康経営優良法人2026も並んでいます。宣言はそのうち最も短期間で取れる1つ、という位置づけです。どの制度をどの順番で取るかは、中小企業の認定・計画制度を一覧比較|使い分けと補助金加点の取り方に目的別で整理しています。

✓ あわせて読みたい中小企業の認定・計画制度を一覧比較|使い分けと補助金加点の取り方経営革新計画・経営力向上計画・先端設備等導入計画・BCP・パートナーシップ構築宣言など、中小企業が使える認定・計画制度を1枚に整理。目的別の…

参考(中小企業基盤整備機構・全国中小企業振興機関協会):新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募要領「パートナーシップ構築宣言」宣言するメリット

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宣言のひな形に何を書くのか

宣言は、ポータルサイトのひな形に沿って書きます。ひな形は3つのパートでできていて、1と2が必須、3の「その他」は任意記載です。さらに1は、6つの取組項目から選んで自社の取組を具体的に書くところまでが必須記載になっています。

① サプライチェーン全体の共存共栄と、新たな連携

取引先(直接の取引先だけでなく、その先も含めたサプライチェーン全体)との共存共栄をめざし、規模や系列を超えた新たな連携に取り組む——という方針を示します。「自社さえ良ければ」ではなく、取引先と共に価値を生む姿勢を宣言します。

ひな形は、この①について「(個別項目)」として6つの取組項目を並べ、そこから積極的に取り組む項目を選び、項目ごとに取組内容を具体的に書くことを求めています。ここが必須記載です。定型文をそのまま出すだけでは、宣言として成り立ちません。

記号 取組項目 記載要領が挙げる例
a 企業間の連携 オープンイノベーション、M&Aなどの事業承継支援、取引先のテレワーク導入支援
b IT実装支援 共通EDIの構築、データの相互利用、IT人材の育成支援、サイバーセキュリティ対策の助言・支援
c 専門人材マッチング (例示なし)
d グリーン化の取組 脱・低炭素化技術の共同開発、省エネ診断に係る助言・支援、生産工程等の脱・低炭素化、グリーン調達
e 健康経営に関する取組 健康経営に係るノウハウの提供、健康増進施策の共同実施
f BCP/事業継続 取引先の災害時等の事業継続計画策定の助言

複数を選んでも構いません。記載要領には「オープンイノベーションを活用した新規事業創出に取り組む」「環境負荷の少ない商品・サービスや、環境配慮に積極的に取り組んでいる企業から、優先的に調達を行う」「取引先のBCP(事業継続計画)策定の助言等の支援に取り組む」といった記載例が並んでいます。自社が実際にやれることを選ぶのが原則です。

どれを選ぶかで、あとから使える補助金が変わることもあります。国土交通省のモーダルシフト等推進事業と、環境省のScope3排出量削減に関する補助金は、「パートナーシップ構築宣言においてグリーン化の取組について宣言している事業者」を加点の条件にしているため、dを選んでいないと効きません。

② 「振興基準」の遵守(望ましい取引慣行)

もう1つが、受託中小企業振興法にもとづく「振興基準」の遵守です。振興基準は、受託中小企業振興法第3条第1項にもとづいて経済産業大臣が定める基準です。委託事業者(発注する側)と中小受託事業者(受注する側)の“望ましい取引慣行”を示すもので、協議の申出には応じる、買いたたきをしない、型の無償保管を求めない、受領日から60日以内に現金で代金を払う——といった内容が並びます。2025年の法改正で「下請中小企業振興法」から名称が変わり、「親事業者」「下請事業者」という呼び方も改まりました。登録の前に、この振興基準の内容を確認しておくことが求められます。

③ その他(任意記載)と、提出前に確認する3点

3つ目は任意記載です。記載要領は、直接の取引先だけでなくその先まで価格転嫁できる価格決定を行い、それをサプライチェーンの隅々まで発信する、約束手形の利用廃止に向けて現金払いや電子記録債権へ移行する、といった例を挙げています。取引先満足度調査の実施や、成果配分を取引先と50/50にする、という書き方もあります。

書式でつまずくのは、たいてい次の3点です。

PDFに変換する前に確認する3点
単独の企業名で出す「当社グループは」という企業グループとしての宣言は受け付けられません。同一グループでも企業ごとに宣言します
署名欄は入力する企業名・役職・氏名・日付はワード等で入力します。手書きは不可、押印は不要です。個人事業主は氏名だけでは不可で、屋号と役職名が要ります
赤文字を消すひな形の赤文字(タイトルの説明文や「(例)」など)は、PDFに変換する前にすべて削除します

⚠️ 注意

宣言は、書いて登録すれば終わり、ではありません。記載要領は、取適法第10条にもとづく勧告、フリーランス法第8条第1項・第2項にもとづく勧告、独占禁止法第20条にもとづく排除措置命令、振興法第4条にもとづく指導・助言・勧奨を受けたときなど、宣言の趣旨に照らして掲載継続が適切でないと認めるときには、掲載が取りやめになることがある、と明記しています。宣言を機に、自社の取引を実際に見直すことが本質です。

参考(未来を拓くパートナーシップ構築推進会議事務局):パートナーシップ構築宣言 記載要領(2026年1月改正)ひな形・注釈あり(2026年1月版)

登録の進め方|4ステップ

STEP1:振興基準に目を通し、自社の取引を点検する

まず、ポータルサイトなどで「振興基準」の内容を確認し、自社の取引がそれに沿っているかを点検します。価格の決め方、支払い条件、型の保管、急な発注変更への対応など、「取引先にしわ寄せしていないか」を具体的にチェックします。ここで見つかった課題は、宣言後に直していく“宿題”になります。

このステップは、自社の発注のやり方を棚卸しする良い機会です。普段は当たり前になっている取引慣行を、あらためて振興基準に照らして見直します。

STEP2:自社の取引方針を言葉にする

宣言に盛り込む、自社としての取引方針を整理します。共存共栄に向けて何に取り組むか、振興基準のどの項目を特に大切にするか、自社ならではの取組(例:価格協議の場を定期的に設ける、支払いを現金化する など)を言葉にします。ひな形に沿いつつ、自社の実態に合った内容にするのがポイントです。

STEP3:ポータルサイトのひな形に記入する

パートナーシップ構築宣言のポータルサイトからひな形(フォーマット)をダウンロードし、必要事項を記入します。代表者名での宣言となるため、内容は経営者が納得したうえで確定します。記入内容は公表されることを前提に、実行できることを書きます。

STEP4:ポータルサイトに登録・公表する

記入したファイルをポータルサイト上にアップロードして登録します。登録内容について修正依頼がなければ、登録した日の約10日後にポータルサイトで公表され、これで「宣言した」ことになります。補助金の申請に関連して登録が集中する時期は、さらに数日かかることがあります。公表後は、宣言内容にそって取引を進め、必要に応じて内容を更新します。補助金の申請でこの宣言を使う場合は、公表されている状態であることが前提になるため、申請スケジュールから逆算して早めに登録しておきます。

補助金のほかに、公庫の融資とロゴマークがある

加点ばかりが知られていますが、宣言には別の使い道もあります。

1つは、日本政策金融公庫の企業活力強化資金です。「ご利用いただける方」の区分に「パートナーシップ構築宣言関連」があり、ポータルサイトで宣言を登録・公表していれば対象になります。資金の使いみちは「『パートナーシップ構築宣言』に記載された方針に基づく取組みを実施するために必要とする設備資金および運転資金」です。宣言に何を書いたかが、そのまま使いみちの範囲になります。

項目 内容
融資限度額 7,200万円
返済期間(設備資金) 20年以内(うち据置期間2年以内)
返済期間(運転資金) 10年以内(うち据置期間2年以内)
利率 特別利率A(この区分に基準利率の適用はありません)

低利の融資につながる制度は、宣言だけではありません。都道府県の承認を受ける経営革新計画にも、低利融資や信用保証の特例といった支援措置があります。承認までの流れと申請書の書き方は、経営革新計画とは?|承認のメリットと申請方法を中小企業向けに解説で解説しています。

✓ あわせて読みたい経営革新計画とは?|承認のメリットと申請方法を中小企業向けに解説経営革新計画は、新事業活動で経営向上を図る計画を都道府県(国)に承認してもらう制度。低利融資・信用保証の特例・補助金の加点など資金調達に効く…

もう1つがロゴマークです。宣言した企業だけが使えるもので、記載要領は「名刺などに記載することで、取組をPRできます」としています。登録すると、ダウンロード用のURL・ID・パスワードがメールで届きます。印刷物用のイラストレーター形式と、Webページ用のPNG形式が用意されています。

税制の優遇を期待して調べに来る方もいますが、賃上げ促進税制で宣言の公表が条件になるのは「一定規模以上の企業」で、マルチステークホルダー方針の公表とセットの話です。地域未来投資促進税制と中堅・中小グループ化税制も、要件がかかるのは特定中堅企業者などです。5〜50名規模の会社が、宣言を理由に税金を軽くできる制度ではありません。

参考(日本政策金融公庫・全国中小企業振興機関協会):企業活力強化資金「パートナーシップ構築宣言」宣言するメリット

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宣言した中小企業の53%は、直近1年でメリットを受けていない

中小企業庁は、宣言した企業に毎年アンケートを送っています(2021年度から実施)。2025年5月に公表された結果概要では、宣言している中小企業23,992社に「直近1年間でパートナーシップ構築宣言によるメリットを受けましたか」と聞いています。

受けたメリット 中小企業(n=23,992)
省庁の補助金における加点・要件 34.1%(8,190社)
自治体の補助金における加点・要件 15.7%(3,770社)
日本政策金融公庫の融資制度(企業活力強化資金) 1.3%(308社)
自治体のパートナーシップ構築宣言関連の融資制度 0.9%(209社)
大企業向け「賃上げ促進税制」 0.2%(55社)
上記のいずれも受けていない 53.1%(12,735社)

半数以上が、直近1年間に何のメリットも受けていません。宣言そのものが得をさせてくれるわけではなく、補助金に申請する、公庫に相談する、といった行動とセットで初めて効く、ということです。逆にいえば、補助金の申請予定があるなら、いちばん取りやすい加点項目です。

見落とされがちなのが自治体の補助金です。省庁の加点34.1%に対して15.7%と、決して小さくありません。ポータルサイトには都道府県ごとの「地域の取組」がまとまっているので、本社のある自治体の欄は一度見ておく価値があります。

宣言したあとも、毎年この調査票が届きます。答えた内容は集計されて公表されるため、宣言の中身と実際の取引が食い違ったままだと、社内で説明がつかなくなります

参考(中小企業庁):パートナーシップ構築宣言 取組状況アンケート結果概要(2025年5月)

振興基準は2026年6月に改正された|宣言の中身も変わる

宣言の2つ目の柱は「振興基準の遵守」でした。ということは、振興基準が変われば、宣言で約束している中身も変わります。

振興基準は、2025年5月に成立した改正法を反映して2026年1月1日に施行され、さらに2026年6月24日に改正され、同日から施行されています。直近の改正点は3つです。

改正点 内容
知的財産取引の適正化 2026年6月24日公表の「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」に基づいて取引を行い、同指針が問題となり得るとする行為を行わない
型等の無償保管への対応 「型等の保管に関する望ましくない事例」を明記。型等の保管費用は保管期間に応じて支払う必要があることも明記された
人事評価制度の整備 適切な価格転嫁・取引適正化に取り組んだ調達部門等の担当者が、正当に評価される人事評価制度の整備に努める

3つ目は、宣言を出した会社にとっていちばん実務に近い話です。社長が価格転嫁に前向きでも、購買担当者の評価が「仕入単価をいくら下げたか」だけで決まっていれば、現場は動きません。宣言を機に評価項目のほうを見直す、という順番になります。

なお、振興法(受託中小企業振興法)は取適法よりも適用対象が広く、製造委託等を行う幅広い取引が対象です。取適法の資本金要件に当てはまらない取引でも、振興基準は関係します。

参考(中小企業庁・経済産業省):振興基準受託中小企業振興法に基づく「振興基準」を改正しました

活用事例|パートナーシップ構築宣言、どう使うか(ケース別)

ここまでの内容を、よくある3つの状況に当てはめてみます。自社がどの入口から入るかで、宣言に書く取組項目(a〜f)も変わります。

ケース①:ものづくり補助金の申請を控える製造業

補助金の採択率を少しでも上げたい会社。加点措置の対象になりうるパートナーシップ構築宣言を、申請前に登録・公表しておきます。あわせて、この機会に自社の外注取引を振興基準に照らして見直すことで、“加点のため”を超えた取引改善にもつなげます。

ケース②:取引先との関係を長期で強くしたい会社

価格転嫁や安定調達が課題の会社にとって、共存共栄の姿勢を明確に示すことは、取引先との信頼構築につながります。宣言を旗印に、価格協議の場を設ける・支払い条件を見直すなど、具体的な取組を進めます。宣言が“対外的な約束”として、社内の行動を後押しします。

ケース③:自社の取引慣行を一度見直したい会社

「昔からのやり方」で続けてきた発注を、振興基準を物差しに点検したい会社。宣言の準備プロセスそのものが、取引の棚卸しになります。しわ寄せになっていた慣行を見直すことは、取引先の定着(=安定調達)という形で自社に返ってきます。

参考(未来を拓くパートナーシップ構築推進会議事務局・全国中小企業振興機関協会):「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト宣言するメリット登録方法

まとめ

パートナーシップ構築宣言は、自社が発注者の立場で、取引先との共存共栄と取引の適正化に取り組むことを宣言し、ポータルサイトに登録する取組です。ひな形には「共存共栄」と「振興基準の遵守」を盛り込み、共存共栄については6つの取組項目から選んで自社の取組を具体的に書きます。ここが必須記載です。

補助金の加点を狙うなら、条件は「令和8年1月1日に更新されたひな形で公表していること」です。旧いひな形のままでは加点になりません。公開までに約10日かかるため、応募締切から逆算して登録します。外注先や仕入先など発注する立場があれば、中小企業でも宣言できます。

宣言は加点項目のひとつで、ほかにも積める項目があります。何がどれだけ効くかは、補助金の加点項目で、2026年に取れる項目を一覧で整理しています。

✓ あわせて読みたい補助金の加点項目とは?2026年に取れる項目を一覧で解説補助金の加点項目を、取得にかかる期間の順に整理しました。パートナーシップ構築宣言など2週間で取れるものから、経営革新計画・経営力向上計画・D…

ただし、宣言している中小企業の53.1%は、直近1年間に何のメリットも受けていません。宣言そのものではなく、補助金に申請する、公庫に相談する、といった行動とセットで初めて効きます。振興基準も2026年6月24日に改正されており、登録して終わりにせず、これを機に自社の取引を実際に見直すことが、信頼にも安定調達にもつながります。

最後に

パートナーシップ構築宣言は、「補助金の加点」という入口から始めても、進めるうちに“取引先との関係を見直す”という本質にたどり着ける取組です。6つの取組項目から何を選ぶか、振興基準の改正に自社の評価制度をどう合わせるかまで考えると、宣言はそのまま経営の課題の棚卸しになります。取引先の安定は、めぐりめぐって自社の安定になります。

私たちTalent Partner(社長の経営参謀®)は、振興基準に照らした取引の点検から、宣言に書く取組項目の選定、ポータル登録、宣言後の取引改善までをハンズオンで支援します。「補助金の加点にしたいが、何を書けばいいか分からない」という段階からで大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

金井 春樹(株式会社TRAVEL LIKE Talent Partner事業部 取締役COO / TAM)

前職の上場コンサルティングファームにて10年間、年間200社超(累計1,000社超)の中小企業に対するバックオフィス支援・経営改善に従事。

現在は「Talent Partner」の取締役COOとして、認定ターンアラウンドマネージャー(TAM)の知見を活かし、財務・労務・組織の多角的な視点から中小企業のV字回復と成長をハンズオンで牽引する「社長の右腕」として活動している。

【運営会社 取得認証・認定】ISO27001 / 健康経営優良法人2026 / DX認定 / 経営革新計画(※兵庫県のコンサルティングサービスで唯一) / 事業継続力強化計画

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