両立支援等助成金とは?|育休・介護の両立支援に使える助成金と申請
目次
「育休で人が抜けたら回らない」——その不安を、支援と助成で越える
社員から「来春、育休を取りたいのですが」と切り出される。おめでとう、と口では言いながら、頭のなかでは別の計算が始まります。あの仕事は誰が引き取るのか。一年後、本当に戻ってくるのか。人数の少ない会社ほど、この計算は速く、そして重くなります。
この計算がいちばん切実なのは、従業員10〜50名規模で、一人が一つの持ち場を丸ごと担っている会社です。製造・建設・介護・小売と業種は分かれますが、代わりを立てる余裕がない点は変わりません。
先に言ってしまえば、両立支援等助成金は「制度を作っただけ」では出ません。共通する要件は、育児・介護休業規程という土台を整えたうえで、実際に取得・復帰まで支援したことです。令和8年度は7コースあり、うち新規に申請できるのは6コース。男性育休、育休中の業務代替、介護離職防止など、抜けた穴をどう埋めるかに直接あたるコースが揃っています。つまりこの助成金は、休ませるための制度ではなく、休んだあいだ現場を回すための制度です。
この記事では、両立支援等助成金とは何か、主なコース、使いどころと注意点、そして申請の進め方を、厚生労働省の情報をもとに整理します。
この記事でわかること
- 両立支援等助成金は、育児・介護と仕事の両立支援に取り組む事業主への助成金
- 令和8年度は7コース。うち新規に申請できるのは6コース(事業所内保育施設コースは新規受付停止)
- 男性育休・育休復帰支援・育休中の業務代替・介護離職防止・柔軟な働き方など、中小企業を対象にしたコースが揃っている
- 「制度を作り、実際に取得・復帰まで支援する」ことが要件。金額・要件は年度で改定(要確認)
そもそも両立支援等助成金とは
両立支援等助成金は、労働者の育児休業・介護休業の取得や職場復帰を円滑にするため、両立支援に取り組んだ事業主に支給される助成金です。「制度を作っておしまい」ではなく、実際に休業の取得・復帰を支援したことが助成の対象になります。
背景には、育児・介護を理由とした離職を防ぎたいという狙いがあります。中小企業にとって、経験を積んだ社員が育児・介護で辞めてしまうのは大きな損失。両立できる環境を整えることは、離職防止であり、採用力の強化でもあります。
無料の専門支援がある
- プラン策定のノウハウを持つ「仕事と家庭の両立支援プランナー」が、中小企業を無料で訪問し、育休復帰支援などのプランづくりを手伝ってくれる仕組みもあります。「何から始めれば」という段階から、専門家の力を借りられます。
根拠は雇用保険法|「令和8年度の内容」がいつ時点のものか
両立支援等助成金は、雇用保険法第62条第1項第6号と、同法施行規則第115条第1号および第116条を根拠とする助成金です(不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースのみ施行規則第116条第16項)。雇用保険の事業として行われるため、雇用保険の適用事業主であることが出発点になります。
令和8年度の各コースは、令和8年4月1日から4月8日にかけて改正された内容が現行です。厚生労働省の支給要領は令和8年8月3日現在の版が公開されていますが、両立支援等助成金の各コースの改正日は4月のままで、8月の改正はこの助成金には及んでいません。年度の途中でも条件が動くことはあるため、申請の直前に要領の改正日を確かめる習慣をつけておくと、古い金額で計画を立てる事故を防げます。
参考(厚生労働省):雇用関係助成金支給要領(令和8年8月3日現在) / 両立支援等助成金 / 「仕事と家庭の両立支援プランナー」の支援を希望する事業主の方へ
主なコース
両立支援等助成金は、令和8年度時点で7つのコースに分かれており、支援した内容に応じて使い分けます。
| コース | こんなときに |
|---|---|
| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援) | 男性社員が育児休業を取得した(中小企業事業主が対象)/男性の育休取得率が上がった(特定事業主が対象) |
| 育児休業等支援コース | 「育休復帰支援プラン」を作り、育休の取得・職場復帰を円滑に支援した(中小企業対象) |
| 育休中等業務代替支援コース | 育休取得者の業務を、周囲の応援や代替要員でカバーする体制を整えた |
| 介護離職防止支援コース | 介護休業の取得や、介護と両立できる制度の導入・利用を支援した |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 育児のための「柔軟な働き方」の制度を導入し、社員が実際に利用した |
| 事業所内保育施設コース | 事業所内に保育施設を設置・運営した(設置費・運営費が対象) |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療や女性の健康課題と仕事の両立を支援する制度を整え、利用者が出た |
たとえば、男性の育児休業取得を後押しするコース(出生時両立支援)は中小企業が対象で、男性が育休を取りやすい環境を整えて実際に取得者が出た場合などに活用できます。育児休業等支援コースは、「育休復帰支援プラン」を作って取得・復帰を支援した中小企業が対象です。
注意
- コース構成・支給額・加算・対象要件は、年度ごとに見直されます(育児・介護休業法の改正に合わせて変わることもあります)。この記事は制度の全体像をつかむための参考であり、具体的な金額・要件・申請期間は、必ず厚生労働省の最新版と管轄の労働局で確認してください。
この記事の内容を、社内で共有できる資料にまとめています。
7つのうち、いま新規に申請できるのは6つ
上の表には7コースを並べましたが、このうち事業所内保育施設コースは、平成28年4月1日以降、設置・運営計画の新規受付が停止されています。これから保育施設を作る会社が新たに申請できるコースではありません。検討の対象になるのは、実質6コースだと考えてください。
もう一点、コースによって対象が「中小企業事業主」と「特定事業主」に分かれます。特定事業主は「業種別の資本金基準、または労働者数300人以下のいずれかに当たる事業主」で、資本金の額は中小企業事業主とまったく同じです。違うのは労働者数の線引きで、中小企業事業主では小売業50人・卸売業とサービス業100人のところが、特定事業主では業種を問わず一律300人になります。判定の時点も、中小企業事業主は支給申請日の前日、特定事業主は支給申請日の属する月の初日です。自社がどちらに当たるかは、狙うコースの条文で先に確認しておきます。
もう一つ、出生時両立支援コースの「男性育休の取得」と「取得率の上昇等」は、同じ年度に両方を申請することができません。取得率の上昇等を申請した(申請中を含む)事業主は取得のほうを申請できず、逆も同じです。どちらで取りにいくかは先に決めておきます。
金額の天井は「1回限り」と「人数上限」で決まる
支給額そのものより先に、回数と人数の上限を見ておくと計画が立てやすくなります。次の表は、令和8年度の支給要領で確認できる主な上限です。
| コース | 主な上限 |
|---|---|
| 出生時両立支援 | 1人目・2人目・3人目の各支給は、1事業主につきそれぞれ1回限り。同一の男性労働者の同一の子については1回限り。取得率の上昇等に対する支給も1事業主1回限り |
| 介護離職防止支援 | 介護休業・介護両立支援制度・業務代替支援のそれぞれについて、1事業主あたり5人まで(介護休業は同一の労働者の同一の対象家族につき1回限り) |
| 育児休業等支援 | 1事業主あたり、有期雇用労働者1人・無期雇用労働者1人の計2人まで(育休取得時・職場復帰時とも) |
| 育休中等業務代替支援 | 1年度あたり、1事業主で延べ10人まで |
| 柔軟な働き方選択制度等支援 | 制度の利用開始日から6か月を経過した労働者について、1中小企業事業主あたり合計5人まで |
| 4コース共通(出生時両立支援・育児休業等支援・育休中等業務代替支援・柔軟な働き方選択制度等支援) | 育児休業等に関する情報公表加算(2万円)は、この4コースを通じて1回限り |
読み取ってほしいのは、同じコースを毎年くり返して使う設計にはなっていない、という点です。とくに情報公表加算の2万円は、コースごとに2万円ずつ受け取れるものではなく、4コースを通じて1回だけ。育休や介護休業の取得者が続けて出そうな会社ほど、誰にどのコースを当てるかを先に割り振っておくと、取りこぼしが減ります。
参考(厚生労働省):雇用関係助成金支給要領(令和8年8月3日現在)
使いどころと「順番」の考え方
多くのコースに共通するのは、「環境や制度を整えたうえで、実際に取得・復帰まで支援する」という流れです。たとえば男性育休のコースでは、育休を取りやすい雇用環境の整備が前提になります。「制度はあるが誰も使っていない」状態では、助成にはつながりません。
ここでも、取り組みの前に必要な準備(規程整備・プラン作成など)を済ませておくことが大切です。育児・介護休業に関する規程を就業規則(育児・介護休業規程)に整えておくことは、そもそもの法令上の前提でもあります。まずは土台を固めてから、助成金の活用に進みます。
コースごとに「お金が出る場面」が違う
同じ助成金でも、支給の引き金になる出来事はコースごとに違います。出生時両立支援コースは男性が育児休業を取った時点、育児休業等支援コースは育休の取得時と職場復帰時の2回に分けて、育休中等業務代替支援コースは代替した人へ手当を払ったり新しく人を雇ったりした時点、柔軟な働き方選択制度等支援コースは導入した制度を社員が実際に使った時点です。介護離職防止支援コースは、休業日数と、会社が導入した制度の数という2つの軸で額が動きます。令和8年度の代表的な支給額を並べると、次のようになります。
| コース | いつ・何に対して出るか | 代表的な支給額(令和8年度) |
|---|---|---|
| 出生時両立支援 | 男性の育児休業取得/取得率の上昇 | 1人目20万円(雇用環境整備を4つ以上実施した場合は30万円)、2人目・3人目は各10万円。取得率の上昇等は60万円(プラチナくるみん認定でさらに15万円加算) |
| 介護離職防止支援 | 介護休業の取得/介護両立支援制度の利用 | 介護休業40万円(所定労働日に対する休業日数が連続15日以上なら60万円)。制度利用は、導入した制度数と利用日数で20〜40万円 |
| 育児休業等支援 | 育休の取得時と職場復帰時 | 取得時30万円+職場復帰時30万円 |
| 育休中等業務代替支援 | 代替者への手当/新規雇用 | 業務体制の整備6万円(育休7日以上1か月未満は2万円。1事業主1人目について1回限り。労務コンサルティング委託は20万円)、業務代替者へ支払った手当総額の4分の3(1か月10万円が上限・育児休業分は最大240万円)、新規雇用は期間に応じ9万円〜81万円 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援 | 導入した制度の利用 | 制度利用者1人あたり20万円(5つのうち4つ以上を導入していれば25万円) |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応 | 制度の整備と利用 | 3つの区分があり、それぞれ30万円 |
この表から読み取れるのは、会社が先にお金や手間をかけた分に対して、後から返ってくる設計だという点です。手当を払っていなければ業務代替の助成は出ず、制度を作っただけで誰も使っていなければ柔軟な働き方の助成も出ません。支出や制度整備が先、申請は後という順番は、いま新規に申請できる6コースに共通しています。
柔軟な働き方は「5つのうち3つ以上」——法律の義務とは基準が違う
育児・介護休業法では、子が3歳以降小学校就学前までの社員に向けて、5つの選択肢から2つ以上を措置すれば義務を満たします。ところが柔軟な働き方選択制度等支援コースは、同じ5つのうち3つ以上を規定していないと支給の入口に立てません。法律の義務を満たしただけでは助成金の要件に届かない、という段差があります。2025年10月に始まった2措置義務そのものの中身と、どの2つを選ぶかの考え方は育児・介護休業法の「柔軟な働き方」2措置義務|中小企業の選び方でまとめています。義務のほうを先に決めてから、あと1つ足して助成金を狙うかを判断すると、二度手間になりません。規定できる制度は次の5つです。
柔軟な働き方選択制度等支援コース|5つのうち3つ以上を規定する
- ✓始業時刻等の変更
フレックスタイム制度、または1日の所定労働時間を変えずに始業・終業を1時間以上繰り上げ/繰り下げする時差出勤制度 - ✓育児のためのテレワーク等
週または月あたりの勤務日の半数以上で利用でき、所定労働時間を変えず時間単位でも実施できるもの。自宅のほか、会社が認めればサテライトオフィス等も対象 - ✓柔軟な働き方を実現する短時間勤務制度
1日の所定労働時間を平均1時間以上短縮し、原則6時間とする制度を含む - ✓保育サービスの手配・費用補助
厚生労働省が挙げる5つの制度のひとつ - ✓養育両立支援休暇制度
厚生労働省が挙げる5つの制度のひとつ
対象になるのは、子が3歳以降小学校就学前までの社員が使える制度であることが前提です。就業規則を直す前に「どの3つを入れるか」を決めておかないと、2つだけ整備して法律の義務は満たしたのに助成金は使えない、という手戻りが起きます。
男性育休の「取得率」で出る60万円は、事業年度で判定される
出生時両立支援コースには、取得者1人ごとの支給とは別に、男性の育児休業取得率が上がったことに対する1事業主あたり60万円の支給があります(申請日までにプラチナくるみん認定を受けていれば15万円加算。1事業主1回限り)。
判定は、男性の育休取得率が前事業年度と比べて30ポイント以上上昇し、かつ50%以上になっていること。前々事業年度の配偶者出産者が5人未満の会社は、直前2事業年度の取得率がいずれも70%以上でも該当します。
あわせて、雇用環境整備を2つ以上(出生時育児休業の申出期限を2週間前を超えるものとしている会社は3つ以上)実施し、育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに取り組む旨を定めた規定等を策定しておく必要があります。事業年度をひとまとまりで見る数字なので、期の後半で気づいても届かないことがあります。
参考(厚生労働省):雇用関係助成金支給要領(令和8年8月3日現在)
申請の進め方|4ステップ
STEP1:育児・介護休業の制度と環境を整える
まず、育児・介護休業に関する規程(育児・介護休業規程)を整備し、社内に周知します。これは助成金以前に、育児・介護休業法で求められる会社の義務でもあります。あわせて、休業を取りやすい雰囲気づくり(管理職の理解、業務の見える化など)を進めます。制度が「使える状態」になっていることが、すべての出発点です。
狙うコースによって、事前に整えるべき環境(男性育休なら取得しやすい環境整備、育休復帰支援ならプラン作成など)が異なります。どのコースを使うかを早めに決め、必要な準備を洗い出しておきます。
STEP2:コースに応じたプランを作成する
育児休業等支援コースなどでは、対象者ごとに「育休復帰支援プラン」を作成します。いつ休業に入り、その間の業務をどうカバーし、いつ・どう復帰するか、という道筋を、本人・上司・会社で共有します。前述の両立支援プランナーの無料支援を活用すると、この作成がスムーズになります。
このとき、同時に狙えるコースがないかも一緒に決めておきます。たとえば育休中の業務を残ったメンバーで分担する会社が育休中等業務代替支援コースを併せて使うなら、業務代替者へ手当を出すことと、その支給ルールを、休業が始まる前に規定として決めておくことになります。手当は、業務代替者全員に支払われた総額で1万円、または業務代替期間1日につき500円で計算した額の、いずれか低い額以上の増額であることが要件です。プランを作る段階で手当の有無まで詰めておかないと、休業が始まってからでは組み直せません。
STEP3:実際に休業取得・復帰を支援する(実行)
プランや制度にもとづいて、対象者が実際に育休・介護休業を取得し、職場に復帰するまでを支援します。休業中の業務代替の体制を整えたり、復帰後の働き方を調整したり——ここで「実際に取得・復帰した」という事実が、助成の対象になります。取得・復帰の記録や、業務代替の実態を示す資料を残しておきます。
ここで見落としやすいのが、休業の「日数」で支給の可否と金額が変わることです。男性の育児休業では、1人目は連続5日以上(うち4日以上が所定労働日に対する休業)、2人目は連続10日以上(同8日以上)、3人目は連続14日以上(同11日以上)が必要になります。男性育休は、連続した日数と、そのうち所定労働日にかかる日数の両方を見ます。介護休業のほうは基準が異なり、所定労働日に対する休業日数が連続15日以上かどうかで40万円と60万円に分かれます。いずれも休業の入り方は本人と相談して事前に決めておきます。取得・復帰の記録に加えて、この日数がわかる勤怠の資料も残しておいてください。
休業前に決めておくこと、休業中に残しておくこと、復帰後に動くこと——この3つの時点に分けて整理すると、実行から申請までの流れが見通しやすくなります。
休業の前後でやること|実行から申請までの並び
一般に、規定の整備は休業が始まる前に済ませておくのが基本です。
STEP4:支給申請を行う
取得・復帰など、コースごとに定められた要件を満たしたら、定められた申請期間内に管轄の労働局へ支給申請を行います。制度の整備、プラン、実際の取得・復帰などを示す書類を添えて提出します。申請には期限があるため、取得・復帰のタイミングから逆算して準備します。
参考(厚生労働省):雇用関係助成金支給要領(令和8年8月3日現在)
制度の当てはめから社内への落とし込みまで、右腕として伴走します。
活用事例|両立支援等助成金、どう使うか(ケース別)
「男性も育休を」と考えつつ、現場が回るか不安な会社。まず取得しやすい環境を整え、出生時両立支援コースを活用します。実際に取得者が出れば助成の対象に。男性育休を歓迎する会社という評判は、採用・定着の面でも効いてきます。
産育休に入った社員に、確実に戻ってきてほしい会社。育児休業等支援コースで「育休復帰支援プラン」を作り、休業中の連絡・復帰後の働き方まで設計します。復帰率が上がれば、採用し直すコストを避けられ、経験者を戦力として維持できます。
親の介護に直面する社員が増えてきた会社。介護離職防止支援コースを使い、介護休業や時差出勤・短時間勤務などの両立支援制度を整えます。「介護で辞めるしかない」を「両立しながら働き続けられる」に変えることで、ベテランの流出を防ぎます。
参考(厚生労働省):両立支援等助成金 / 2026(令和8)年度 両立支援等助成金のご案内 / 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)
ケース④・⑤|制度を「使われる状態」にしたい会社
上の3つに当てはまらなくても、社内の体制づくりから入る使い方があります。次の2つは、令和8年度のコース内容にもとづく想定例です。
代替要員を新たに採る余裕はなく、周囲の応援で回している会社です。応援した社員へ手当を出す仕組みを休業前に規定として整えておけば、育休中等業務代替支援コースの対象になります。支払った手当総額の4分の3が支給の対象で、業務体制の整備そのものにも6万円、社会保険労務士等へ労務コンサルティングを委託した場合は20万円が用意されています。頑張った人に報いる原資を、助成金で一部まかなう発想です。
短時間勤務の対象期間が終わる3歳以降に働き方が合わなくなり、退職が出ている会社です。時差出勤やテレワーク、短時間勤務などから3つ以上を規定し、実際に使う社員が出れば、柔軟な働き方選択制度等支援コースで1人あたり20万円(5つのうち4つ以上を導入していれば25万円)が支給されます。育児・介護休業法の義務は2つ以上、助成金は3つ以上という差だけ、先に押さえておいてください。
参考(厚生労働省):雇用関係助成金支給要領(令和8年8月3日現在)
まとめ
- 両立支援等助成金は、育児・介護と仕事の両立支援に取り組んだ事業主への助成金
- 令和8年度は7つのコースに分かれ、うち新規に申請できるのは6つ(事業所内保育施設コースは平成28年4月から新規受付停止)
- コースは、出生時両立支援(男性育休)・育児休業等支援・育休中等業務代替支援・介護離職防止支援・柔軟な働き方選択制度等支援・不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援
- いずれも中小企業を対象にした区分が中心
- 共通するのは「制度や環境を整えたうえで、実際に取得・復帰まで支援する」こと
- 育児・介護休業規程の整備という土台を固めてから、狙うコースに応じた準備を進める
- 金額・要件は年度で改定されるため、最新は厚生労働省で必ず確認する
- 両立できる環境を整えることは、離職防止であり、働きやすい会社としての採用力にもつながる
両立支援以外の場面にも、目的別の助成金があります。違いと選び方は、中小企業が使える雇用関係助成金ガイド|補助金との違いと選び方でまとめています。
その採用力を実際の応募につなげるには、募集から受け入れまでの設計が要ります。計画・募集・選考・受け入れの4段階は、中小企業の採用でまとめています。
最後に
両立支援は、「福利厚生」というより「人材を守る経営」です。助成金を後押しに環境を整えれば、辞められて困る人材を、育児・介護のライフイベントを越えて維持できます。
私たちは、育児・介護休業規程の整備から、コース選定、育休復帰支援プランの作成、実行と支給申請までを、社会保険労務士と連携しながらハンズオンで支援します。「両立支援を整えたいが、何から」という段階からで大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

